料理は化学

 食塩は「NaCl」。は「C2H4O2」。もちろんは「H2O」。
そう、料理は科学なのです!

 「物質Aと物質Bを160度で加熱しながら混ぜる」

カレー作りにしても何にしても、化学なのです。
 だから、化学的才能がない人間は料理が下手です。

「なんで、こんな味になるの?」

と失敗するのは、その化学実験の手順か、分量、時間などを間違えているからなのです。これはたとえ話ではなく、本当に化学実験なのです。中学でも習う「混合物」や「化合物」をキッチンで作っているのです。

メントス・コーラ>
 コーラの中にメントスを入れて浮き出させる動画がYouTubeで受けています。


 だから、おやつの時間に誤って、メントスを食べた後、コーラを飲むと胃の中で同じ事が起きる。原因は、メントスの多孔質とコーラ特有の炭酸が激しく反応をするためらしい。

 普通の食事をしたときにも、こうしたダメな組み合わせがあるのではないだろうか?昔はそれを「喰い合わせ」とか「食べ合わせ」とか呼んでいたけど、つまり、メントスコーラのような反応が起きないように言い伝えられてきたことなのかも知れない。しかし、古典的な「喰い合わせ」は「油と水」とか、「温かいものと冷たいもの」など、胃に負担がかかりそうな正反対の性質を持つ食べ物に対しての言い伝えが多い。

 レモンティーの中に、一緒に出されたミルクを入れるとなんかのような物質が次々と出てくる。子供の頃、そんなイタズラをしたことはないだろうか?出てくる物質はタンパク質なのだろうけど、そんなとき母から
 「お腹痛くなるから、食べちゃダメ」
と言われた。もし、それが胃の中で起きたら。胃が消化のために攪拌していると、胃の中には次々とそのギトギトした消化が難しそうな物質が出来上がる。多分その数時間後には、腹痛を起こすだろう。

 これは「喰い合わせ」を越えた「化学」なのです。

 

<シェフは何を思っている?>
 そして、どうしてこのことに料理人は気がつかないのだろうか?

今日、僕はあるお祝いでフルコースのフレンチ料理をごちそうになった。

 メニューを見た瞬間「やばいかも?」と思った。
一見すると、秋に採れる野菜や果物を豊富に使って季節感を出してはいるが、それらを混ぜることによって、どんな化学反応が引き起こされるか、今のシェフは全く考えてもいないだろう・・・。

 途中のつなぎのお皿で、クリームの上に何かのベリー類がトッピングされた料理が出された。これがコンビニ・レベルの得体の知れない食材なら良いのだけれど、一流の食材だからまずい。化学反応が強く起きてしまう。
 バルサミコのような強い酸性と、トッピングのクリームが反応して、もはや胃の中では大変なことになっているに違いない。

 案の定、その辺りから胃が苦しくなってきた。
また、場合によっては、胃を強く刺激して胃酸を促進させる食材もある。そうした食材から出る汁を乾いたフランスパンが吸収し、信じられない比率に膨張しているかも知れない。それを最初にのんだシャンパンがより一層反応速度を増しているのかも知れない。
 フランス料理のようなバラエティに富んだ食材を使う食事は、それだけに胃の中がおかしくなる。

 こうした、食事によって胃の中で起きる出来事、もっといえば、腸で起きる出来事を予測して料理を作る料理人はひとりもいない。(当然だけど)でも、「食事は健康のため・・」とか言うのならば、まずは、食べることで消化器官で何が起こるかを考えてから、そうした発言をするべきでは??
(ついに、料理は生物学にまでなったのか・・?)

 

<最適な食事>
 考えて欲しい。よほど怪しいものを食べない限りお寿司はいくらでも食べられる。だから、回転寿司が成り立つ。

 ご飯に、マグロに、のり。相性が良い。それをお醤油につけて食べる。相性が良い。お椀の具はアオサ。これまた海のもので相性が良い。案外、日本の食事は、変な化学反応が胃の中で起きないような食材同士が組み合わされているのかも知れない。そのことが、真の意味で「日本料理は体に良い」と言うことだと思う。

 おもに、70年ほど前、私たちの口に入るようになった西洋料理。それを見よう見まねで作っていると、変な化学反応が起きる。その原因は、時間が違うのか、温度が違うのか、材料の分量が違うのか??ハンバーグとデミグラスソース。どこの一流店でも、食べると胃が重く感じる。胃の中で、何かがメントスコーラ状態になっているのだと思う。(単に、年取っただけか?)

 フランス料理に、日本の食材はありえない。京野菜などフランスにはない。季節の柿などはない。そうした現地にはないものを使い、地元にない調味料を使ったら、怪しい化学反応が起きても不思議ではない。創作料理は止めて欲しい。寿司はアメリカのお店で「寿司だ」と言ってでる怪しげなものではなく、やはり日本の寿司が最高です。ならば、フランス料理も、直球で出してもらいたい。

 今度、食後、どうもお腹が重くて、ゲップがいつまでも出るようなときは、食べた食材を思い出して欲しい。そして、その店には2度と行かないことです!!

写真はpixabay